WORKERSのボタンダウンシャツができるまで
Forty thousand dollars
最初にサンフランシスコに取材に行ったのが2008年。もう13年も前の話です。
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写真はjimさんに連れて行ってもらったNeustadter一族の会合。資料は色々持たれていましたが、もともと持っていたものよりはebayで集めたものが多いと言われてました。
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話の中身は結構身も蓋も無い話で、結局当時、まとめずじまい。要約すると、何代目かの経営者が服のビジネスに全く興味がない。というより嫌いだった。だから、ビジネスを売ってしまったという話。現代の日本の中小企業でも、工場やってて二代目・三代目は「こんなもうからない商売やりたくない」って事業を売却してしまう。よくある話です。
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当時、私はWORKERSを始めたばかり。向こうでアテンドしてくれた友人のjimさんとバークレーの門の前で座った話をよく覚えています。タカシはこれからどうするんだ?と聞かれ、まずはレンタルしているCADを買う事。ただ、CADは当時、出力機を入れて300万円ほどする。WORKERSの年間売上はForty thousand dollars。400万を英語でなんというんだっけ???と悩んだのでよく覚えています。
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当然、生地を買ったり作ったり。縫製工賃に部品代もかかり、400万円はあくまで売上。そんな状況でどうやってCAD買うんだ?と悩んでいたのを良く覚えています。
Tie Clip
しばらく在庫の無かったタイクリップが再生産出来上がり、Storesにアップしました。
たぶん、21世紀に「要るか要らないか」だけで考えると、ネクタイ以上に微妙な立ち位置。でも、地味で、小さくて、目立たないタイクリップはWORKERSが考えるスタイルを完成させるにはどうしても必要なので作り続けています。
ニットタイでも、レップタイでも。どんなネクタイでも、たまにクリップをつけると「びしっ」と締まります。ただ、「ネクタイはしてもクリップはつけない」という選択肢もあって、ゆらゆらするネクタイも良いものです。ネクタイの剣先をシャツに突っ込んでも良い。
「どうやって着ようかな?」と考える為には、クリップが無いとダメなのです。クリップがある、そのうえでそれをつけるのか、つけないのか。逆説的な考え方です。
Days
インスタでは連日、目下作成中の来春夏。2022年春夏製品の試行錯誤をアップしているので見飽きたと思いますが・・・続きです。
2022年春夏で作る生地、グレンチェックのシュミレーションです。
この後「マス見本」と呼ばれる、実際に、糸をタテに何種類か、ヨコに何種類かかけて試し織りしてみて織る色を決めます。
糸、あたかもウールのようですが綿です。Yarn Dyed Twillと秋冬までは呼んでますが、次の春夏からは名前変えようかと思います。明らかにTop Dyedの糸です。
ワタの段階で色を染めてから糸にする。単色だと、糸染とさして変わりませんが、違いが出るのが複数の色ワタを混ぜた時。「杢」とか「メランジ」とか呼ばれる色調になります。これが綿であってもウール風に見える。生地に織り上がった後も、糸染のパキっとした雰囲気とは違う、「ウールっぽい」雰囲気になるのです。とにかく私はこの「杢」が大好きなんです。
でも作るのは大変。なぜか?トップ色糸を作るの自体、かなりの量を作らないと非常に効果に高価に成ってしまう。ではなぜ高価になるか?
一番の原因は、糸を作るラインを掃除する時間です。通常、糸屋さんは基本的に白というか、生成りのの糸を延々作ってます。色のついた糸を作るとなると、建物の棟というか、ラインを完全に分けないと生成りの糸に色が混じってしまう。いわゆる「飛び込み」が起きるのです。
ラインも分けたうえに、色糸のラインは色が変わるたびに徹底的に掃除が必要になります。そうすると、大量に糸を作ればその掃除の時間が大量の分母で割ることになり、ある程度、単価は抑えられますが、少量でやると非常に高い物になります。
この糸自体は、とある生地屋さんが柄物とは別用途にある程度の量で仕込んでいるものです。それを分けてもらい、WORKERSでは柄物を別注で作ろうという企画です。
織りから仕上げまで、すべて尾州、ウールの産地でやるのでまたウールっぽい綿生地になるのです。この春に、同じ生地の無地バージョンをBlazer・Sport Coatに使いました。私自身も着ているのですが、7オンスの適度な厚み。綿なので当然ある程度シワは出来るのですが、不思議と吊っているとシワが伸びる。
材料も凝ってて、生地にするのもわざわざ綿生地産地じゃなくてウール産地でやる。色々とお高くなってしまうのですが、それでもチャレンジしたくて作り出しています。2022年春夏をご期待ください。(その前に今の春夏も21秋冬も売れてほしいのですが)
7月納品製品・詳細アップしました
お待たせしました、WORKERS、2021FWの初回納品分。製品詳細をアップしました。ホームページのトップよりご覧ください。
今月はあえてボタンダウンではなくレギュラーカラーシャツ。いい加減、手持ちのシャツがボタンダウンだらけなので作ってみました。単純にボタンダウンのボタンを取っただけではなく、襟を新たに描きなおしています。
ボタンダウンの襟そのままをレギュラーカラーにすると襟が長く見える。それもそのはずで、ボタンダウンは襟先を身頃に止めるのでロールができ、結果襟が若干小さく見えるのです。ロールは無いレギュラーカラーでもあの見え方と同じぐらいになるように、寸法を微調整してます。
チノパンはSlimがまた上若干深くしたので自分でもはいてみたい。以前はあのまた上浅めが好きだったのですが、最近はどうにも落ち着かなくなってきて。
Lounge Jacketも身幅をゆったり、袖を太く。胸ポケ・内ポケ無しでカーディガンのように着られるリラックスした型紙・仕様に変更。
真打デニムジャケット。バックルの作るの、打つ事の大変さもさることながら型紙がいわゆるファーストよりも213に近い型。肩が落ちて、袖が太く、襟が左右180度近い開き。内ポケットもあり、いわゆるレプリカではない形です。着丈の60前後もギリギリで、これ以上長いとGジャンらしさが無くなる。でも、これ以上短いと「やっぱり短ランだよな~」と着づらくなる。未防縮の生地なので、どうしても誤差は出ますが、出来る限りバランスよく。その物ズバリの寸法と、それを少し違う方向に持っていく修正。塩梅が非常に難しかったです。
WORKERS 展示会ご来場ありがとうございました
WORKERS2021FW展示会、ご来場ありがとうございました。
週末は多数のエンドユーザー様にお越しいただきありがとうございました。
卸先様は時節柄お越しいただけないケースもありましたが、発注を集計した結果はまだ昨年より多くのご注文をいただいてしまいました。ありがとうございます。
おかげで、2022SSもまた新たな製品にチャレンジできます。
21FWのオーダーも中には生地が無い、部品が無いでオーダーを減らしていただくこともあり心苦しいのですが、ご容赦ください。
で、展示会が終わってから今までSNSやブログをほったらかしていた原因は、ひとえにWORKERSにいただくオーダーが私一人でやるキャパを超えつつあるからです。
でも人は増やしたくないので、何とか、今まで以上に効率よくやる方法を考えます。
今日も、残ってしまった領収書の整理作業しながら「決めた日に決めた事をやらないと。ちょっとでも残すと後に響く」としみじみ感じました。
余りに規模が大きくなりすぎて、何か間違いがあってはいけない。21SSあたりから、品番を減らしたり、卸先様にも一部、お取引をお断りしたりと何とか全体の数量を減らす取り組みはしているのですが中々目論見通りにはいきません。その理由も何となくわかっていて、自分自身で製品作りながら、最近のWORKERSは「まぁ良くできてるよな」と感じます。あくまで「まぁ」ですが。自分自身で、自分のやる仕事を「完璧」とか思ったら先が無いので、どこまで行っても「まぁまぁ」です。
もちろん、出荷して間違いのないクオリティではありますが、それでも作ってる側からすると「まだなんかよくならないか?」と考えます。単純に「クオリティ」といっても、ただ、壊れなければ良い、綺麗に縫えてればよい、ムラの無い生地ならよいとかではなく。総合的に、作りたいものが目指す的(マト)に近いか、そもそも的(マト)が今の時代が求めるもの・自分が求めるものとズレてないか?
22SSもマトがずれないものを作りつつ、クオリティを維持できる量に落ち着くよう、製品の企画を進めていきます。
改めまして、エンドユーザー様、卸先様、ご来場並びにご発注ありがとうございました。
撮影完了・展示会準備は続く
追加の撮影も終わってデータはすべて出来上がり!前回のモデル撮影では撮影しきれなかった全製品を写真に収めます。
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アップだけでなく三面図もこの時に撮影。採寸結果と照らし合わせて、グレーディングのとき、この三面図を見ながら微調整も行います。
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コートも良い、カットソーもいい、もちろん布帛のシャツやジャケットも良い。我ながら、よくできたと思います。が、自己満足かもしれないので結果が出るまで一喜一憂しないように。でもよくできたと思うな~、我ながら。こうなると、もう来年何作ったらよいのか不安になる瞬間もありますが、次に作る時は作る時で新たなアイデアはわいてくるものです。
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昨日も、22SS、来年の春夏で作る製品をだいたい一覧にまとめました。まとめるの自体は、1-2時間でできるのですが、それまでに約半年頭の片隅に常にあります。もっと言えば、一年中、春夏秋冬の服は常に頭のどこかにあり、時々で「この組み合わせいいな」とか「この仕様をこれに組み合わせたら」とか、メモしたり、写真を残したり。そういう普段の積み重ねがあるから、最後のまとめは1-2時間で出来上がるのです。
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昔はこんなこと出来ず、毎月1品番、何を作ろうか?どういう型紙にしようか。もっと長い時間をかけて悩み悩み作っていました。毎月繰り返すのが訓練になり、毎月1品番が2品番になり。毎月企画していたのを、半年分するようになり・・・といった風に一段づつできるようになってきたつもりです。
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という事で、今目の前に展示会でお見せする製品は実は半年以上前に自分が欲しいな、見てみたいなと思った物。それがやっと、まとまった形になるのが展示会です。たかだか、服を何着か並べて見せるだけなのですが、そんなことにも物理的に作るのに時間もかかるし「まとめられる」ようになるには、人間自身がそれをできるようになるための鍛錬の時間が必要なのです。楽しんでいたので、鍛錬とは思っていませんでしたが。言葉にするなら・・・う~ん「必死」。必死で自分が何を作りたいのか、何なら他に負けないものが作れるのか。どういう工夫ができるか、常に必死で考えて来たなというのが本音の感想です。
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40過ぎると「30代は楽しかったでしょう?」と聞かれることがあります。その答えも「必死だったので、楽しいもつらいも、感じなかったのか。覚えてないのか。とにかく、必死だったなという印象しかない」です。そして、相変わらず今も目の前に仕事には一生懸命です。という事で、明日は展示会レイアウトや、お見せする参考資料のキャプションなどなど・・・まだまだ、仕事は続きます。





























