お客様からお問い合わせが多いのでご案内します。
WORKERSでは今まで、米綿100%+インディゴ100%染の13.75オンスデニムを定番として展開してきました。
青みの強い生地で好評でしたが、もう少し黒っぽいデニムも作ってみたいという気持ちが沸き起こりました。
そんな時に、青田 充弘氏のWAR DENIMを読み、大戦期のデニムは黒っぽいという神話。大戦期のデニムの経糸・インディゴ染め部分から硫黄が検出された部分を見て思い出したました。
10年ほど前、WORKERSオリジナルデニムの染色を相談しに行ったときに染色メーカーさんが
「レプリカジーンズ華やかな90年代はメーカーから様々な年代のジーンズが持ち込まれ、染めにどのような物質が使われていたか調べてほしい依頼が多かった。ほとんど分かったことはなかったが、唯一、大戦期と思われるデニムからは硫化染をしたであろう痕跡が見つかった。ただ、硫化染がインディゴ染めの後・前、どちらに行われたかはわからなかった」という話。
ただ、硫黄が出た=硫化染とはなりません。その点はWAR DENIMでも可能性の一つとしてして触れられているだけです。
もっと突っ込むと、JIS L1065という試験方法で硫化の同定もできるのですが、はがき大の生地が必要かつ、JIS L1065でも、特定の試薬で色が出た→硫黄が検出されるか、の二段階で硫化染を同定します。カケンという検査場のご担当者からも「セルロースを染める染料は多種多様だが、現実、流通している・ポピュラーであるという条件を考えれば、硫黄が出れば、ほぼ硫化染でよいのでは」という意見でした。
ということで、インディゴ+硫化で染めた今回の生地。出来上がったので、本当に硫化染をすると硫黄が出るのか?を岡山県工業技術センターでX線分析顕微鏡を使って検査をしてもらうと・・・
Sが元素記号硫黄。下のグラフ、スケールが違うのでピークで出ている物質(シリコンだったかな)の高さが違いますが、左のインディゴ硫化はS(硫黄)が明らかにふれている。それに対し、右側のインディゴ100はS部分の山がほとんどない。
確かに、インディゴ硫化は硫黄が反応する。インディゴ100はほとんど反応しないという結果にはなりました。
あくまで、状況証拠から「大戦デニムが黒い」という噂を硫化染ではないか?という推測で作り出したのが今回のインディゴ硫化生地です。
「今、すべての真実が明らかに!」みたいに言っちゃえばカンタンなのですが、あくまで、書籍や現物で、生地の経糸から硫黄の反応が出た、というところまでなので言い切りません。
想像すると、
・インディゴ染めの回数を減らす
・インディゴの還元浴の染まり具合が悪くなってきて通常の限界以上に長時間使う
こういった理由から、インディゴの色調を濃くする目的で硫化染を加えたのではないか?という推測はできます。ただ、文章が出てこないので、あくまで「推測」です。
で、長々話したこのデニムでただいまサンプル作成中です。
新生地の為、収縮率が完全にはわかりません。ジーンズS801とデニムジャケットS806を作成する予定ですが、これらは受注は取らず、最初のロットはこちらで在庫として作成予定です。
まだ、サンプル中なので量産時期も未定です。今年中に作れれば・・・という状況です。



























