French Cargo Pants, Black Kersey 製造中の不良発生と納期遅延

大変申し訳ありません、納期遅延のご連絡です。

French Cargo Pants、Black Kerseyで、洗い後にピンホールが発生しました。

原因は判明し、再生産するのですが生地が全く在庫が無く、新しい納期が10月中旬~下旬になります。


不良の発生はブラックで、他色は納期通りの出荷になります。

WORKERSのご注文いただいたお客様、また取り扱い予定の販売店様には個別にご連絡いたしました。販売店でご予約いただいているお客様には、こちらからの連絡ができません。申し訳ありませんが、詳細はご予約いただいた店舗様もしくは弊社までお問い合わせください。

http://www.e-workers.net/contact/top.htm



不良部分の画像:



目打ちの先部分が問題のピンホール
裾ボタンの横が一番多く、まったく別の個所でもボタンが当たったところに発生しています。


・原因と対策

ワンウォッシュをする際、生地に折り筋が出てしまわないよう、パンツを裏返してから洗いをかけます。

その時に、「パンツ返し」や「袖返し」と呼ばれる、圧縮空気を使ってズボンをひっくり返す機械を使うのですが、今回のトラウザーズがかなり生地がごついので最強設定で返しをしました。その力が強すぎて、裾のボタンが返し機の中で暴れ、パンツ本体に当たってしまいました。

そのため、不良の多くは裾のボタンの横が2-3ミリ、傷がついている状態です。
ただ、あまりの引っ張りに機械の中でボタンが取れたケースもあり、この分は、まったく別の個所に傷があるものもありました。


原因が分かったため、その後のOD Kerseyは手でひっくり返し、洗い・乾燥しましたが傷は発生していません。
ブラックの再生産も、手でひっくり返してから洗いを行います。


今回は、納期遅延でご不便をおかけし大変申し訳ありません。

金属パーツ、特にバックルのつく製品は洗い後につけたり、そもそも工場で大型の洗い機械には耐えない場合はノンウォッシュでの納品をするようにしていましたが

今回のFrench Cargo Pantsはサンプル時の洗いで問題が発生せず気づくことができませんでした。

今後は、このノウハウを生かし再び不良が発生しないよう努めてまいります。
重ねまして、申し訳ありませんでした。

株式会社WORKERS
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舘野 高史

ダッフルコート型紙の工夫

 




久しぶりに超マニアックというか「誰が知りたいんだよ、そんなこと」という話。

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ダッフルコートの型紙、身頃にヨークが乗っかります。ビンテージを見ると、ヨークは前・後ろがくっついた長い形をしている。理由は肩部分。異様なまでに厚みのある生地なので、身頃の肩部分の縫い割りと、ヨークの縫い割りを重ねたくなかったのでしょう。

では、WORKERSも同じことができるか?といえばダメ。身頃にしっかりタテストライプ状に柄がある。これで、ビンテージと同じ型紙にしてしまうと、後ろ身頃はストライプの方向が合うけど、前は合わない。という事で、最初は真ん中の型紙。身頃も、ヨークも、同じように割って作ってみました。が・・・なんとか縫えてるけど、サイドネックと呼ばれる、首と肩線の当たる位置が、異様な厚みでゴリゴリとなんとも着づらい。

そこで考える事しばし。何とか、この身頃の肩縫い目線を移動できないか・・・過去作った製品で肩線の無い製品は無かったか・・・あった!フットボールTだ!

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どんでもないところから身頃のアイデアを持ってきました。でも作ってみるとばっちり。

肩部分は厚みが減る。身頃をつなぐのは後ろ中心と、その少し下部分。ちょうど、上に乗るヨークできれいに隠れる。身頃の縫い目もしっかりアイロンで割って、押さえのステッチをかければデコボコした感じもしない。固さもない。

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自分で服を作る時は、過去の様々な製品を見て、合理的だったり綺麗だったり、良い作り方は真似ます。でも今回のは珍しくそういう真似ではない、我ながらよくぞ考えついたなという方法でした。世の中のダッフルコートヨーク地の目問題で悩まれているパタンナーさん、この展開方法はお勧めです。