グレーディング・日々の仕事

本日はグレーディング。
いつも「小さいサイズはコインポケットが入らなくて苦しい!」とか言ってる作業がどんなものかというと・・・


画像1:これがパターンの原型。前身頃に必要な部品をすべて重ねて描いています。



画像2:それぞれの頂点部分に型紙を大きくしたり・小さくしたりする「グレーディング」に必要なポイントを入れます。気が遠くなりますが、これを全パーツ・全ポイントに入れます。



画像3:ここがいつも苦しい苦しい言っている部分。ポケットの幅/ループの位置/コインポケットの幅、それぞれが違う物を基準に私は動かします。「私は」と強調したのは、ここは人によって違うから。

私の考え方は
・8146、ポケットの幅は使い勝手+ウェストが小さくなった時は使い勝手犠牲にしても前の比翼に引っかからないようにしないといけない/ポケット口の位置を基準に自分で決めた任意の数値で動かす

・8145、ループの位置はウェスト中心からの距離。ウェストが大きいからと言ってあまり脇には持って行きたくない。でも前中心から全く同じもバランスがおかしい。下カンヌキが袋にかかり補強になるのもある程度は大事だが、それにとらわれ過ぎたくは無い。

・8152、コインポケットの幅はループの下には潜ってはNG。右側の「81」と見えている逆側のコインポケット幅を基準に任意の数値を入力して動かす。小さくなる時はループ下にもぐらないように、大きくなる時は巾一定。

3本の線が、それぞれ違う所を基準に動く。かつ、それぞれは「どことかぶってはいけない」「バランス考えるとこう」「機能性考えるとこう」と動きを決める要素がたくさんあるので悩むのです。



画像4:そんなこんなで動かすとこうなります。サイズ30-38まで重ねがきでわかりづらいので・・・





画像5:30と32サイズだけ重ねつつ、脇線で合わせてみました。先ほど、それぞれ違う所を基準に動かしたポケットの幅・ループ・コインポケット。
ポケット幅は比翼にひっからない。ループはポケット幅より若干少ない動き。コインポケットはループにかからないように。希望通りになりました。

このように、それぞれに点を入れ、動きを指定し、動きの寸法を指定し、それが30-32、32-34といったように小さく・大きくでうまく動いているか、チェックしては数値を変え・・・を繰り返します。

う~ん、作業は慣れているのでそれほど時間はかかりませんが、集中してやらないと間違えるのでいつも緊張します。