チノパン革命・・・か?

10年ぶりぐらいにチノパンの縫い方を考え直さないといけないかもしれません。(ベーカーも)


指で示している部分、明らかにステッチを継いでいます。

なんでこんなことを考え出したかというと、最近、WORKERSのチノパンを縫う工場さんが変わりました。(数が増えすぎた&既存の工場の製造能力が追い付かないため)

その工場さんはもともとジーンズの方が得意。そうなると、工程の順番からどうしても小股という部分を先に縫いたいのです。
ここが小股。フロントの開きどまりより下、左右をくっつける部分

ただ、どう考えてもチノパンとかベーカーのような、別帯ではなく腰裏のパンツはここを最後に縫わないと縫えないと考えていました。
理由がヒヨクを止めるステッチで、腰裏がついてからでないと始末できない!と思い込んでいたのですが、スペックをよく読むと・・・

MIL-T2064A、いわゆるチノパンのスペック
f.「左側のフライ(比翼の事)をノッチからトップの上がり2と1/2インチ(6.35センチ)まで止める。
15・クロッチ(小股)を止める

とあります。昔はちゃんと読みきれてなかったのですね、ステッチが途中で止まるのがわかります。それが、最初のインスタで示した部分なのです!!!

衝撃です・・・昔の人は小股を先に縫う方法、考えてたのかと。
ただ、考えれば当たり前で、どうしても我々は現代人の感覚で
「ヒヨクステッチを途中で切るなんてありえない!」と思っていました。美しくないとか、常識はずれだとか。
でも、ミリタリーウェアはあくまで機能が第一義。早く縫えて、強度があれば、多少ステッチが継いでいようが何しようが、そういう部分は気にしないのです。

ただ、オリジナルにもこの小股を先に縫ったもの、後から縫ってるもの、あるのでどちらが正解ということは無いのですが、また一つ、工場の製造ラインに合った縫製方法が見つかったことにすごく感動しているのです。が・・・伝わらないだろうな~~~