10月納品予定製品・詳細アップしました







10月納品予定製品、詳細をアップしました。
http://www.e-workers.net/store/201810/top.htm

WORKERSの定番、こりこりのワークシャツ。正直、2018年ワークシャツを作ってもそんなに注文はありません。が、作り続けます。ワークシャツはWORKERSのアイデンティティなので。(といっても工場さんに迷惑かけるわけにはいかないので、あまりに減ると厳しいのですが)

Teds Jacketは新たな型紙でだいぶ雰囲気が変わりました。ダブルクロスも着こむごとになじむいわゆる「良い綿生地」。綿生地で厚みを出すとなると、普通は糸の番手を低く、太い糸でとなるのですが、そこを、細い糸で強烈に打ち込み本数を増やして厚みを出す。ギシギシする感じといえばわかるでしょうか。着こみ、洗いこむごとに、それが徐々に柔らかくなっていく。

Bal Collar Coat、いわゆるステンカラー。前からギャバで作りたかったのですが、作るとなれば裏地が要る。そもそも、本格ギャバは綿でもちょっとしたウール生地ぐらい値も張るので作るとなると高くなる。それで二の足を踏んでいたのですが、今回
「人生、今年で終わりだと思って作りたいもの作ろう」
と決心して作りました。結果、取扱店さんからもかなりオーダーいただけて「気持ちって伝わるんだな」と感じました。

でも工場さんとは「値段も高いから100枚もいかない分、手間かかる仕様ですがお願いします!」なんて言って作ったものなので、お互い「これはいつも以上に段取り精密にやらないと間に合わないぞ」と出来上がるまでドキドキしています。
ただ、このドキドキがあるから、まともな納期でまともなクオリティのものが作れるのだと思います。

6月、ブログも更新しないで何をしていたかというと7月納品の製品、主にチノパンを縫っている工場に何回も行っていました。今日も、最終工程進行中のチノパン確認と次のベーカー(これも縫いが近いので仕様的に流用する部分があり)の縫いながらの打ち合わせをしてきました。

「10年近く作ってる製品の何の打ち合わせを?」と思われるかもしれませんが、10年前と今では状況が違うのです。
幸か不幸か、10年前活躍していた50代後半から60代のレディ達は多くが引退しました。引退というと聞こえがいいですが、亡くなった人も多いです。巻縫いしていたあの人、帯つけしていたこの人。

そのポジションには、また新たに若手、そして今は海外からの研修生も縫製の現場で頑張っています。ただ、いくら頑張ってもあの高度成長期、大量に縫う所から鍛えられた人たちの上手さというのは中々再現できないところもあります。

そういう部分を縫い場の人にただ「がんばれ!」と任せるのではなく、企画して型紙ひく私も一緒になって
「では、どうやったらあの人たちが経験からできたことを今度は仕様書や型紙に落とし込んでいくか」を今やっているのです。

縫製の現場の技術は、どうしても伝承されづらい。一般的な事は伝わっていきますが、いわゆる「手練手管」と私などは言う部分。その人なりのちょっとした工夫は伝わらないのです。(ここの縫い代をちょっとカットするとか、折くせをこうつけるとか)
その部分を、当時と同じ方法をさぐるのはもちろん、もう一歩型紙の工夫とか、縫製資材、金具の工夫で再現しつつ、より「誰が縫っても同じに作れる」ように技術を確立していきたいのです。