気合のグレーディング

朝から苦節1時間半、やっと原型が動きました

Workers Co., LTDさん(@workers_japan)がシェアした投稿 -


今回のMt Jacketはご覧の通り、上腕部に本来ある切り替えが無くくっついた状態です。
ただでさえ、ラグランのグレーディングはコツがあるのですが、さらに工夫が必要です。

まずはラグランでどう動くか、原型というかダミーというか、元になった型を動かします。ここも悩みどころで、いかにして前ポケットをうまく動かすかがポイント。
最初、後ろを先に動かしてみてから前を同じで動かしたらポケットが変に動く。そこで、先に前身頃やってから後ろをそれに伴い動かす方法に変更。

さらに、ペーストと言って袖を基準に、前身・後身がくっついたときにどう動くかをパターンに教えていきます。(通常のグレーディングポイントとは違う、S01/S02と入れていきます)

そしてやっと、くっついた部品が動く。その部品が間違いなく動いているか、原型と重ね合わせてチェックしているのが最初の動画です。
さぁ、これで動いたぞ!となったら・・・・

これら全パーツに最初の原型と同じようにポイントを記入していきます。
拡大すると・・・


こんな風に、角ごとにあったり、線ごとにあるポイントにすべて数字を入れます。
一個でも数字が入っていないとエラーが出ます。

サンプル型を作るのも大事なのですが、グレーディングも同じぐらい大事。
人間の体は全体が一定で大きくなるわけではないし、デザインでも「ここは動かしたい、動かせない」とかあるのです。それをコントロールするのがこのグレーディングです。

最初は「なんだこのめんどくさい作業は!!!できない!!!」となりましたが、今ではパズルのようで中々楽しくやってます。でも、やっぱり今回みたいな、けったいな切り替え線のある型紙は手を付けるまで
「こうやるんか?ああやるんか?」と風呂場で考えたり、ベッドで寝るまでの間考えてみたり。ずっと頭の片隅で考えていて、いざやってみるとそのまま行くこともあれば、そのやり方ではできない時もある。(今回は、途中までは想像通り、ポケットで想像の逆の動かし方でした)

最近、銀行さんとか卸先さんに「普段どういう仕事してるんです?」と聞かれたので、色々ある仕事の一つを紹介しました。だいたいグレーディングは2-3日。毎月、出荷があり、グレーディングがあり、職だし(パターン・仕様書・数量を向上に連絡して生地や部品の手配)があり。そして、帳簿があって請求など経理関係。で、更新か。
こうやって仕事を並べていくと、だいたい「何日は何をやる」というのが決まってきます。早10年も繰り返していると、リズムも出てくるのでメリハリつけて、仕事する日は絶対この仕事、休むときは休むと出来ています。