TCB-WORKERS 出会い編

WORKERS旧宅での一枚。2008年で写ってるのはTCB井上君
マグナムドライが泣かせる一枚
お互い、呑みに行ったりしないので唯一残っていた写真

TCB×WORKERSとの出会い編・・・


WKS: という事でやっと私と井上君の出会いだ。井上君が矢部さんと一緒に働き始めて1年ぐらいの頃かな?実はお互い、共通の知人を介して児島に来る前から「ジーパン作りたいって児島に移住したい同年代が居るんだよ」とは聞いていたよね。

TCB: そうです。だから、初めて近所のスーパーで見た時は「こいつじゃないか・・・」となんとなくあたりはつきました。で、そんな状況が半年一年経った頃・・・

田中凛太郎著 Motorcycle Jacketを読みふけるTCB


WKS: お互い会社も違うのでそこで話しかけることはなく。たまたま、ヤフーオークションかな?でレプリカメーカーのシャツを買ったんだよね、井上君から。プルオーバーの作りを当時勉強していて、そのシャツが何年か前に出たやつだから見て、解体したくってね。

TCB: もう、当時から解体なんですね。でも、すぐに「この人だ!」って確信できなくて、一年ぐらい経ってから電話しましたよね。

WKS: 驚いたよ。「だいぶ前にヤフオクでシャツを売った井上と言いますが・・・」って電話してくるから、何のクレームか?と思ってびっくりした。

TCB: それがきっかけで知り合って、そこからはスーパーや共通の取引先で会うたびに話すようになっていきました。今でも覚えているのが、舘野さん(WORKERS)が夜中の1時すぎに電話してきたことありましたよね?「前から縫えなかった、この縫い方が出来た!!!」って。

WKS: だって、もう何年もできなかったんだもん。セットインの巻き縫い。それを、方法論としては出来るのが見つかって興奮してね。

この児島から一駅戻った上の町にWORKERS舘野・TCB井上ともに当時の勤め先がありました。
その上の町の東久ストアというスーパーでお互いを毎日のように見知っていました。
でも話しかけない、そんな日々。


TCB: だからって、ふつう夜中の1時過ぎに電話してこないですよ。

WKS: でも、その後すぐに来てくれたじゃん。

TCB: そりゃ、こんなバカな奴他にいないですから、その完成の瞬間を見ておいてあげないとって。

WKS: その後も、たまにうちに来たりはしたけど、年がら年中一緒にってわけではないよね。

TCB: お互い、何せ夜は縫い物が忙しかったですから。後は性格の違いもありますよね?

上の町から南に行った下の町。そこにある鴻八幡宮という神社の上から。
今のTCBがある場所のすぐ近く。
あのころは、井上君がこの近くにビル構えて工場やるとは想像できませんでした。
たぶん、本人もここまで具体的には想像していなかったはず。


WKS: そうだね、私は一人で考えたいタイプ。井上君は、もちろん当時は一人で縫う時間が多かったけど、それ以上に、周りとのコミュニケーションも大事にするタイプ。

TCB: お互い、「ジーンズ作りたい」「縫ってみたい」「それをどんな形でも仕事にしたい」という共通の目的があるけど、それ以外は、まったく人間性が違いますからね。

WKS: そんな二人が、同じ時代に同じ場所に来て、フラフラしながらも何とか食べて行けるようになった。でもまだこれからだね。

TCB: 僕は数こそ少ないとは言え「TCB」で一緒に働いてくれている人が居る。彼ら、彼女達にきちっと給料払っていかないといけないですから。

WKS: WORKERSも直接雇ってる人は居ないけど、協力してくれている工場さんには小さな子供が居る人も。その子達が大人になるまで、頑張らないと。

TCB: でも難しいのが、そうやって生活を守ろうとかばかり考えちゃうとどうしても、「こんなものを着てみたい」「作ってみたい」「提案してみたい」って、純粋に「服が好きで作りたい」という気持ちがどこかで変わってしまう時がありそうで怖いです。

WKS: 今でも「自分が着てみたい」とか「こんなアイデアの服、まだ見たことない、作ってみたい!」とかそういう気持ちは冷めないよ。それは大前提で、そのうえで、自分も協力してくれるすべての人も、うまく行くように考えるのが「事業」なんじゃない。自分だけで何かやりたいなら、アーティストでもなんでも、自分だけでやれる何かを探した方が良いし。TCBもやっぱり自分で着たいとか、そういう気持ちは変わらないでしょ?

TCB: ですね。毎日自社で作った製品着てますから。

WKS: 私もそう。毎日、すべてではないけれど、何かしら自社で企画した製品は着るよね。


・・・・と出会いから話しがだいぶ脱線してきたので今日はこのあたりで。