先日、カットソーをお願いしている名古屋の工場さんへ16SSで作っているボーダーの編立を確認しに行ってきました。「確認」といっても、自分で作り方がわかるわけもなく、見学ですが。
太ピッチの場合、切替機がついていないと作れないのだ!と言われていて、機械の形自体が違うのか???と思い行ってみると・・・
編み機自体は、毎度おなじみの丸編み機の形をしています。
立てている糸が手前にホワイト、奥にネイビーがあるのがわかります。
これが、所定の位置で切り替わってボーダーに成っていきます。
この何とも言えない、どこかアナログチックなボックスが切り替えをしてくれています。実際、編んでいるところを見ていると、ざ~~~っとホワイトの糸が供給され、ストップ、次にネイビーがざ~~~っと言う動きをしています。
ただ、今回編み機以上に関心したのは糸を「割る」という作業。
紡績(糸を作る)メーカーから来た状態が上にある状態。非常に大きくこのままでは編み機にかけることができません。
そこで、糸を「割る」という作業をしているのがこの写真。
要するに、糸を巻きなおす作業。たとえば、編み機に48本糸を立てる場合、そもそもケースで来た糸がそれほど本数が無いとか、ボーダーのピッチによって、色糸ごとに必要量が変わればそれにしたがって糸を巻きなおしたり。
今回行った編み工場さんは、元々この糸を割る仕事から始められたそうで、このような設備があります。
編み工場さんと、割り工場さんは分業していることも多いのですが、今回の工場さんはそれが一か所。
何より、自分が割った糸でその後編むわけですから、安定して編みやすい工夫を。さらに、糸も最後の編み上がりに残りが無いよう、細かな計算をして割るそうです。
もちろん、きちっとした指示書をつければ、分業していても良い仕事ではあるのです。あるのですが、やはり、自分で編立までするのだと思えばいろいろと気を使う。そんな部分の一つが・・・
このワックス。ブルーの丸い物がワックス。
編みをするときに、糸そのままでは毛羽が立ちます。毛羽が立てば糸が切れる恐れもあるし、飛び込みと言って編んでいる部分に別の色の毛羽が飛び込んでしまうこともあります。
そこで、ワックスをかけ毛羽を抑えてから編みます。このワックスも種類があり、かけ方一つもいろいろセッティングがあります。その良し悪しで、後の編立の時にどの程度安定して編み上げられるかが変わってきます。
自社で糸を割り、編むからこそ、編みで起きたことのフィードバックがすぐに割りにも反映して工夫が出来る。そこが強みだねと言われていました。
WORKERSもパターンを自社で取り込んでいる理由がそこにあります。
外注に出してしまえば、コストは一定。機械の維持費、人件費もかからない。
でも、自社でやるからこそ、作りたい形・それを現実縫える型紙にする。この二つがせめぎあい、工場からの縫える・縫えないといったフィードバックもすぐに型紙に反映させられるのです。