Making Pattern, Summer Flight



もう、来春夏の型紙をひいています。
古着のサマーフライト、着てみるといろいろ「ここがこうだったらな」という部分が出てきます。そのあたりを変更してこんな形にしてみようというスケッチ。

WORKERSの場合、自分で型紙をひいてしまうのでスケッチはあくまでスケッチ。細かい寸法は、型紙をひきながら考えていきます。


今日は、WORKERS自慢の前振り袖の作図を。
すべての元になるのは、身頃を元に描いた右側の袖。
シャツの袖と同じような物です。



そのシャツと同じような袖を展開したのが右側。
一口に「展開した」と言っていますが、クラシックなテーラードで良く使われる作図法で展開しています。
本来の、サマーフライトはこれとは全く別の袖型が使われています。
腕が上げやすいように脇の下にマチがついた独特な形状。

確かに「道具」としては手が上げやすい方が正解です。
が、この脇の下のマチが普通に街着として着るには気になる。うまくたたまれてくれないのです。
そこで、身頃はオリジナルの持つ雰囲気を残しながら、袖だけは全く新たに書き直しています。


そして、先ほどの展開したものを内袖・外袖にわけます。
これでおわり・・・とおもいきや




展開はあくまで垂直・水平を使って反転させています。
それを元に、切り替え線はカーブを描いているのでこれをくっつけると、袖山の線はいびつになってしまっています。

型紙をあたかも縫ったようにくっつけて・・・


線を引きなおします。今度は、うち袖の底にむかって少し線が乱れているので修正・修正・・・と繰り返し修正していきます。


これらの作業、もともとはハトロン紙という薄い紙とシャープペン、ルレットという紙に印を付ける道具や目打ちを使って行っていました。

私は最初手でひいて、途中からCAD(機械)に変わった派です。
その為、あくまで普通に手でやっていた作業をCADに置き換えただけ。
本当はCADにはもっと便利な機能もあるらしいのですが、あまりそういった物は使わず、基本的な機能で、手でひいていた時と同じやり方でやっています。

道具が変わっただけで、結局「縫える型紙」をひく技術には変わりはありません。ただ、自分が手を動かして覚えた事というのはそう簡単には消えません。いわゆる「体が覚えている」というやつです。