グレーディング
やりだしてしまえばパズルのようで楽しいグレーディング。
でもやっぱり、ジャケットはパーツも多く、間違いが許されない緊張感もあいまってやり始めるまではちょっと怖い。
これは、何年経っても変わらないですね。
来月にはLounge Jacketから秋冬の納品が始まります。
納品前からうれしい追加が来ていくらか作っていた在庫が無くなりそうです。
「やっぱりWORKERSのジャケット、良いと思ってもらえたな~」とうれしく成っています。
私とジャケット・・・元々は古着好きとしては
ここから始まりました。
いわゆるカバーオールの襟をただテーラー襟に変えたような。
これを元に試行錯誤して型紙をひいていましたがどうしても平面的過ぎる。
そこで、次に目を付けたのが古着のトラッド系。
ブルックス始め、J.Press、Dann。他にも無名メーカー含め色々トライ。
スーツではない、組でない上着を「Sport Coat」という名前なのも、この頃知りました。
でも、どれもサイズ感が違う。作りも固すぎる。
平行して、日本、アメリカ、イタリア、様々なメーカーのジャケットを試してみました。
WORKERSには全く載せていませんが、古着・現行含め相当量買って着て、さらに作り(縫い方や芯の使い方)を勉強しました。
芯については彼からもだいぶ勉強させてもらいました。
rrr129のH君。
http://rrr00129.blogspot.jp/
テーラーさんでも作ってもらった服を着て、見て、時にはちょっとだけほどいてみたり。
今の型紙、仕様に固まるまでは本当に悩みました。
「本格的なジャケット作りをしようとすると、ハンドだオーダーだに成ってしまう。どうやったら、既製品としての存在意義を持てるのだろうか」というのが一番の悩みでした。
結論は
・オーダーやトラッドではしづらいコンパクトなサイズ感
・袖口で袖丈直しがしやすい作り(だから本開きはやりません)
・WORKERSらしいラフな素材(ツイードや極厚のフランネル)
・既製品として通用する価格
で、形になったのが1904 Jacket, Maple Leaf jacket, そしてKing Porter JacketやLounge Jacketです。
よく「WORKERSのジャケットって元型は何なのですか?」と聞かれるのですが、これがひいた自分でもわからないのです。
24-5ぐらい?からひいては修正、ひいては修正を繰り返して来たので、今と成っては元が何かわかりません。たぶん、何かあったはずなのですが・・・
悲しいかな、私は専業パタンナーでは無いので、基本的に何かたたき台が無いと型紙がひけません。
もちろん、何回もひく間に「今の自分が好きな寸法」は大まかに頭に入っていますが、やっぱり新たな型を作る時は、何枚も古着、現行含め、現物を用意して、着て、モデルにもきてもらって自分が「作りたいな」と思う寸法を探してきます。
これが、独特なWORKERSらしい型紙や寸法感を生む秘訣なんだろうなと最近では思います。