ここ数年、勝手にひそかなブームのミリタリーチノ。
http://www.e-workers.net/military/shorts_1956/1.htm
単純に周りの人ではいている人が多いので気に成っていたのですが。
前にお店をやっていた時、一緒にやっていた人が「ジッパー壊れたから治して」と持ってこられたのがこれでした。
前に入ったダーツ・タックが特徴的。
その時は「今見ると新鮮」ぐらいにしか思わなかったのですが、その後、パンツの型紙を作れば作るほど、ヒップ周りの寸法をどうやって出すか悩むようになりました。
前・後ろ股上を浅くすればどうしても尻ぐり寸法は稼げません。
そうなると、横方向で稼ぐことに成るのですが、これもまたウェストの大きさという制約があります。
そこで、ダーツやタックを使うと、ダーツの無いパンツでいえば34サイズの尻周りで32サイズのウェスト、といったような事が出来るのです。
もちろん、現代的な寸法というのはあるので、無尽蔵に大きくすれば良いと言うものではありませんが、私が型紙を作りだした段階での現代的寸法(とくに股上)は、シルエットに大きな制約に成っていました。
素材にポリウレタンを混ぜてストレッチ性を持たせたり、そもそも「そういうものだ」と割り切られている製品もありますが、どちらもやりたくなかったのです。
そこでダーツやタックが登場に成ったのです。結果出来たのが、Buckle Back TrousersやArmy Officer's Trousersに使っている型紙です。
いつか、前身頃にもダーツ・タックを入れて、さらにリラックスした型紙も作ってみたいと思います。