常盤新平氏御逝去


昨日の夜、ニュースで常盤新平さんのご逝去を知りました。
酒場の時代をはじめ、遠いアメリカ、汝の父を敬え、他多くの著作を読み、今でも読み返しています。

とくに、酒場の時代の内容には驚きました。
リアルマッコイ、キッドマッコイ、ジョーマッコイ、ブートレガーといった単語が並ぶこの本が刊行されたのは1981年です。

今でこそ、ある意味メンズ洋服業界のメインストリームになっている、クラシックなアメリカの世界観。これを、服ではなく酒、マフィアといった側面から「日本語で」紹介された第一人者であり、最初の世代のお一人だと私は思います。

そのお名前を著作で知り、さらに、自分の好きな池波正太郎の小説を読んでも、山口瞳の小説を読んでも、今度はその後書きにも常盤新平さんはファン代表として登場されていました。

もう、ここまで来ると、好きを通り越して「この人はどんな人なのだろう?」と感じるようになりました。

数年前、当時最新の著作だった東京の小さな喫茶店と、山の上ホテル物語の感想と共に、おそらく洋服業界では影響を受けた人が非常に多い事を含め、お手紙を送りました。

すぐに返信を頂き、そのはがきは私の宝物です。
お亡くなりになられた事はとても悲しいですが、作家は著作が残り、読者の心で永遠に生き続けます。

おそらく、これから生まれる世代であっても、1920年代やアメリカに興味を持てば必ず常盤新平という名前には出会うと思います。