なぜ自分の周りで物を作るのか


少し長いですが、WORKERSが何故自分の周りで、自分で型紙をひきながら製品を作っているか・・・というお話です。



写真はジャケットの裾、額縁始末と呼ばれる部分です。
ここを見ていて考えました。

この工場さんはこういった額縁や地縫いがえしのアイロンなど、中間工程が丁寧です。

実際、工場に行ってみるとミシン踏む人とアイロンの人の比率がジーンズ工場と違います。

ジーンズはどちらかというと、いかにアイロンを減らし、各部を専用ミシン・専用の金具で縫うかという考え方。ジャケット系は逆で、どうやっても人の手作業が入りますし、それを入れなければ形になりません。

なので、この工場さんはアイロン担当の比率が大きいのです。

その分、いくらサンプルを作ってみても完ぺきには出来上がり数量が読めないのがアウター系を得意とする工場経営の怖さといわれていました。がんばってその良さを伝えて、たくさん、ベストな工賃で依頼します。


だからといって、ジーンズ工場はアイロンが少ないから簡単だとか、儲かるとかそういった話ではありません。

ジーンズ工場は工場で、たった一本のジーンズ縫うにも10台以上のミシンを用意し、さらにクライアントの要望にこたえるには同じミシンでも針幅を変えてそろえ、金具を多数用意しと違う大変さがあるのです。


たまたま、自分は日本で自分のすぐ近くで製品を作ってもらっているのでそういう大変さが見えますがこの大変さは、世界中で同じ。Made in Japanも、他の国で作っていても同じです。


服というのは、素材の栽培に始り、糸を作り、生地にして、切って、縫ってととにかく人手がかかります。だから私は一枚のシャツも、一メートルの生地も無駄にしたくないし、よく考えた物を企画したい。

WORKERSが自分で型紙を作って、工場に行って、どうやって縫うからどんな企画をしたらそれが生きるのか考えながら物を作っている理由はこのあたりにあります。

ビンテージが好きでそれを研究してたからというのもあるのですが、それは合わせ鏡のようなもの。
作り方を知れば、ビンテージの良い意味での合理性が理解できる。
ビンテージを見るから、その作り方を考えるという感じです。