インディゴ染めの魅力/弱点






来春夏もまた、インディゴ染めの生地を使ってシャツを作ります。
今日、ロールの原反を開いてみてわかりやすい部分がありました。

このように、インディゴ染めは真っ暗な倉庫でビニール袋に入れた状態で保管していても空気と反応して部分的に色が変色します。

これが、インディゴ染め最大の魅力でもあり、弱点でもあります。

生地に成ってからも色変化が止まらない事(数年経つとほぼおさまるようですが)
空気だけでなく、光でも変色しやすい事。
この特性がインディゴ染めでしか出せない色を生みだすのです。
WORKERSでは、その特性を承知で製品を作っています。

お手持ちのシャツやジャケット。着ないでハンガーに吊って暗い所で保管してもこのように色が変わると思います。

比較的、洗って・着てを繰り返すとその色変化が全体的に起きるのでわかりづらく、着ないで保管すると部分的に色変化が始まります。

これを魅力と取るか、弱点と取るかは人の感じ方次第。私にとってはやはり「魅力」なのです。



その証拠がこのWabash。初期に作った物で、しばらく着た後は倉庫で保管していました。
作った当初の赤みが抜け、ブルーがより深みのある色に。

さらに、生地の糸/織り目の場所により、微妙に陰影がついています。これもインディゴ染は色変化しやすいからこそ。

100%インディゴで染めない、「インディゴ色」と称して反応染めで染める、色々と方法はあるのですが、WORKERSはインディゴ染めといったら基本、インディゴ100%しかやりません。


縫い糸の綿糸も同じ事ですが、強度だけ考えれば化学繊維の糸の方が良い。
色が変わらない染色ならば、反応染めの方が良いに決まっています。


でも、私が好きだったビンテージはそうじゃなかった。色ははげる、縫い糸はかすれる。
その、経年して変わっていく風合いに魅力を感じています。その感覚は、今でも変わっていません。