G.B Leathersというイタリアのタンナーの革、ミラージュ。
オイルが大量に入っていて、曲げるとそのオイルが動いて色が変わる「プルアップ」と呼ばれる種類の革です。
このオイル、冬になると固くなり一見ひび割れたかのような表情に成りますがご安心を。
適当な布でカラぶきするだけでこのように、中のオイルが動き色が均一になります。
実際に拭いている動画です。
Italian Leather, Mirage from WORKERS Co.,Ltd on Vimeo.
革の中のオイルが動くように少し圧力をかけてふくのがポイントです。
イメージとしては、乾布摩擦のように。
良く、お手入れを聞かれるのですが、基本的に何もせず、カラ拭きするのが一番です。
このように、イタリアの革、バダラッシのミネルバ系もそうですが、革の表面に顔料を塗らず、染料で色をつけます。そのため傷はとても付きやすく、また同じ色を指定しても同じには成りません。
原皮が違えば、結果として出てくる色も変わってしまうのです。
その点、顔料であれば、ペンキのようなものを革に塗るわけで、基本的には色の再現性は高くなるのです。
また、大量のオイルを革の中に浸透させることで擦ると多少の傷であれば見えなくなってしまう復元力があるのも、このミラージュやバダラッシの革の特徴です。
正直、サーシングルベルトのこんな小さなパーツに高級皮革に分類されるイタリアンレザーを使うのはもったいなくもあります。もっとアメリカ的な革の表面(銀面)が強く、とにかく傷に強いレザーを使う方法もあるのですが(近いものは今も日本で作られているので)、イタリアンレザーの傷は付きやすいけれど復元力あるふくよかな表情が私は好きなのです。
ただ、先日納品したCruiser Packにはそのアメリカ的日本製革(傷が付きにくく、銀面が均一)を使いましたし、ケースバイケースで使い分けをしています。
正解・不正解は無いので、私の好みがお客様にも伝わればうれしいです。