元々は、京都の西陣織の技術を宮大工が持ち帰り、農業の閑散期に織り物を始めたのがきっかけ。それが今では、糸の染め、織り機に乗せるための整経(タテ糸を巻き直す事)、織り、その後の加工まで、それぞれの分野が分業体制になり集積されています。
先染め生地というと、糸の段階で染めて織ったもの。
西脇は、その先染めの中でも比較的薄い生地、いわゆる「シャツ生地」の産地。
WORKERSで使っている生地で言うと、シャンブレーが代表的な素材です。
さっそく染色工場さんから。
上にあるのが、もともと糸屋さん(よく紡績と呼ばれる分野)から入ってきた糸そのものの状態。
これを、下にある筒に巻き直します。
ちょうど真ん中あたりに筒が見えます。バスケット上に穴があいています。
これは、後々染める時に、染料がしっかり通るようにあけられています。
色の見本帳。
糸は、アパレルやら生地屋さんやらの、依頼により指定の色に染められます。
その時に、いきなりあてずっぽうで染料のレシピを決めるのではなく、今まで作った事のある色からまずは近しいものが無いか探します。
で、この後に試験機で色のレシピが決められ、うまくいかないときはそれを何回か繰り返し、指定の色に出来る限り近い、染料のレシピが出来上がります。
試験機も撮影しましたが、さすがに企業秘密っぽいので今回は内緒です。
先ほど巻きなおした糸は、タテに大量に並べられ窯の中へ。
クレーンでつられてすっぽりと入ります。
そして、染料がぐるぐると、下から上へ循環して染められます。
で、染められた糸は何回も何回も水でさらして、色残りが無いように洗われます。
この後、乾燥して染色屋さんの工程は終わり。さらに、織り機に乗る状態に糸を巻き直す工程に入っていきます。
見て思ったのが、とにかく手数が多い事。
染めるだけでも糸を巻き直し、染めてからもまた巻き直し。
染めも、まずは漂泊、染めて先ほどの洗い。さらに色を固定する処理や、織り機に乗って糸切れがしないようにする処理やらで約丸一日がかり。
これが、ながーい生地作りの工程で「染め」というだけで、この手前には、綿をつんで、糸にして。
この後には、織り機にかかるように整経して、織って、最終加工してと、まだまだ工程はあります。
その、先の工程もまた、中は細かく別れるわけで、いったい目の前の生地が出来上がるまで細かく分けたら何工程あるのだと考えると気が遠く成ります。
こうやって、いろいろな人の手を経て出来てくるものなので、それを使わせてもらう私は、よほど良く考えて、生地の活きる企画を考えねばなと実感しました。
企画をして、仕様を考え、型紙を作って、出来がればそれを撮影して。
つい「つかれた」とか思う時もあります。そういう時は、目の前の製品が出来るまでにかかった手間を考え、それを活かすも殺すも自分次第と肝に銘じて頑張ります。
なぜこんな事を書いているかと言うと・・・
今、撮影データの加工に追われて四苦八苦しているからです。
このカーキ色が画面上で出ない事、出ない事。
それでも、くじけず頑張ります。
週末の更新もお楽しみに。