ありがたいことに、多数お問い合わせをいただきましたのでお答えいたします。
Royal Mountain Parkaの素材は綿100%。60番手の細い糸を超高密度に平織りします。
ベンタイルですか?というお問い合わせを頂きましたが、違います。
ベンタイルは商標も規格もあり、サプライヤーも決まっています。作り方・考え方としては同じ方向性のものですが、ベンタイルとは呼ぶ事はできません。
話を戻して、細い糸を高密度に織る、この段階で遮風性は増し、ある程度のはっ水性も出ます。同じ綿生地でもポプリンと呼ばれる、細番手・高密度が紙のような風合いで、シャンブレーはその逆である事を想像してください。
さらに、この高密度平織り生地に、樹脂により撥水加工を施しています。
樹脂といっても、はがれたりするような風合いでは無く、高温・高圧で浸透させています。
ここまで言うと、良い事ずくめのような生地ですが、縫製が非常に難しいのです。
高密度生地を縫うと、まず一度穴があいてしまうと縫い直す事ができません。
また、ある程度密度を高く縫わないと強度が出ない、しかし密度高く縫うと裂けてしまう。
糸・針もできる限り細く、しかし強度は維持。そこで、今回WORKERSでは初めて化学繊維の糸を使いました。これならば、細番手でも強度が保てます。
どうしてそこまで糸を細くしたいのか、それは、針を細く、さらにどぶ板と呼ばれる、針が通って行く穴を小さくしたいからです。この針を細く、どぶ板の穴を小さくすることで生地へのダメージを最小限にします。
さらに、工場にお願いして針の太さ・糸の太さ・ボタンホールやカンドメの目数を調整して部分縫いを作ってもらい、強度が一番高くなる設定を探します。
このミシンも、最新のコンピュータ制御のホール/カンドメ機を使ってもらいました。
機械式のミシンでも、ギアやカムを変えればこのような形状・目数の変化はできます。
ただ、現実問題、多数の生地・糸があるなかでフレキシブルに変えようと思えば、最新のコンピュータ制御ミシンにはかないません。
WORKERSでは、超クラシカルな機械式ミシンを使ってもらう製品もあれば、超最新のコンピュータ制御ミシンを使ってもらう場合もあります。
どちらも、最終的に思い通りの製品が出来た時にはうれしく、こういう部分を工場さんと話するのが私には実は一番楽しい時間なのです。
「え~、そのミシン買ったの!持ってるの!じゃぁ、こんな仕様ができますね!」みたいな感じです。
だいぶ話がマニアックに行ってしまいましたが、展示会ではこの見本も持って行きます。
日本のど根性物作りの一端をご覧ください。