私が素材や服の作り方を知りたい理由

 最初に結論

作り方を学ぶことで

「だったら、これを変えたら違う機能性が出るのでは?」

「ビンテージの軍物セーターの縫製方法をカットソーに転用したらどうだろう?」

とか、新しいアイデアが出るからなのです。


7月に受注する、RAF Cotton Sweater、Raglan Cotton Sweaterのこの起毛部分の意外な大変さから考えました。

この起毛が意外と難しい。通常、スウェットに使われる「裏毛」は起毛しますが、RAF Sweater、Raglan Sweaterに使う「天竺」はあまりしない。


理由、裏毛は「表糸」「中糸」「裏糸」があり、起毛の時にひっかいても表まではそうそう響かない。生地に厚みがあるのです。それに対して天竺は、何本も糸をまとめたとしても最終的には一本になって糸で編むのでどうしても厚みが出ずらい。そこを、この素材は、

「糸を何本もまとめて極太にする」

「さらにそれを密度高く編んで厚みを出す」

「そのうえで、起毛の調整で適度にひっかく、でも穴は開かない」

程度に調整をしています。

素材なんて、「ふーん、使おうか」とか「もうちょっと厚いの無いの?」とかアパレルメーカーは簡単に言いますが作るのはそれなりに大変なのです。

WORKERSが仕入れ先さんにお願いしているのが「その素材はどういう糸で、どうやって作っているか」を教えてもらう事です。実際の、作っている現場を見学させてもらって理解を深めることもしています。

これ、「現場行ってますよ!こだわってますよ!」感を出したい訳ではありません。素材の作り方を良く知ることで「だったら、ここをこうすれば、また違った良さ・機能・雰囲気が出せるのでは?」とか、自分なりのアイデアを見つける為です。


デニムを最初に別注で作った時も同じで、染め方から何から、外にはオープンにしない事前提ですが依頼した私には見せてくれる工場さんにお願いしました。

中には「色で指定して。それをどう作るかはこちらの秘密」という業者さんも居ます。それはそれで良いと思うのですが、私にとっては、工程を知って次のアイデアを得る事が出来ないので。