ウィンドブレーカー
http://www.e-workers.net/pc/pc.htm#clothes
この数年間、どちらかと言えば「こってり系」が多かったせいか、こういうあっさりしたものが気に成ります。
元々は「フード」「春先に着る羽織り物」と言ったキーワードでいろいろ探していたのですが、ウィンドブレーカーに行きあたりました。
ナイロンで、フロントに白いファスナー、腰には申し訳程度のポケット。
これが、もう少し豪華に金属ファスナー+綿系の生地になるとトラックジャケットやレーシングジャケット。もっとさかのぼれば、スポーツジャケットになるのですが、そうでは無くて、このチープさに惹かれます。
なぜ惹かれるのか考えると、同じようでいて同じではない、でも「文法」のように筋が通っている部分もあるのです。
たとえば、ポケットが一つしかないところ。これは、単純に最低限物が入れたい、でもコストも下げたい。では、一つにしよう。
でも、一つにするにしてもスナップを付けたり、ファスナーを付けて物が無く成る心配はなくしたい。
ファスナーも、表生地にいちいち合わせるのは大変だから白に統一。ファスナームシ隠しもしない。
このように「簡素化」という目的の結果、「これが合理的」という仕様に落ち着く、それが「文法」と私が表現する部分です。
この、服ごとの「文法」はウィンドブレーカーだけでなく、ワークウェアのカバーオールにもあれば、オーバーオールにも、ワークシャツにも。トラッドでもスポーツジャケット、BDシャツ、ステンカラーコート、いろいろあります。
いわゆる「定番仕様」というものですが、突き詰めて考えればどれもそれなりに意味があるのだと思います。
そういう、機能だったり、目的(コストを幾らかけても丈夫にしたい、逆に最低限の機能性を維持してコストを下げたいとか)に沿って作られたデザイン、それに私は興味があるようです。
そうなると、アメリカ製の製品というのは、何せ「商品」として作られるので、デザインがつきつめられているケースが多く、だから私は興味が尽きないのです。
先に、デザイナーのデザインがあって作られた服には余り興味がわき起こらず、このウィンドブレーカーのように、とても簡単に作られたものであったとしても、細かな差を何着も見たくなる。その原因は、意味・意義のあるデザインにあった訳です。
やっと今に成ってわかってきました。興味が赴くまま、これからもWORKERSを続けていこうと思います。