19FWのBal Collar Coat, Harrit Tweed

 


https://e-workers.stores.jp/

倉庫を整理していて見つけたBal Collar Coat。

19FWのサンプルの1枚です。

インスタに載せたところ販売して!という声があったので写真撮ってStoresに載せました。

サンプルは実は量産よりコストはかかっているのです。一人で「丸縫い」で縫うケースが多く、この2枚も丸縫いで縫われています。

丸縫いは丸縫いの、量産は量産の「味」というか「うまさ」があります。

丸縫いは、どうしても「ゆっくり」縫う。服を丸々一着、すべての工程縫える熟練工が縫うのですが、やはり「一枚」しかないので、速度より丁寧さ重視。

それに対し、量産は「その工程を何回も同じ人が縫う」ので、徐々にその工程になれてうまく・早く、なっていくのです。あの量産の独特の上手さも私は好きです。


サンプルは裁断も1枚。量産は生地を重ねて裁断します。

そういう裁断&縫製の手間があるので、サンプル工賃は量産工賃の数倍。だからサンプルのほうがコストがかかるということです。


ちなみに、1回の展示会。WORKERSの場合、だいたいサンプル代(生地+裁断縫製+洗い仕上げ)総額で300-400万はかかります。パターン代は自分でひくので0で考えてます。

生地が何色か展開があれば、1色だけ作って、他は製品にしないで生地で見せる・・・という方法もあります。WORKERSもたま~にやりますが、基本的には全色作ってしまいます。


WORKERSが最初、展示会がどうしても開催できなかったのは一気に作るサンプル代(+量産に向けての先仕入れと、展示会会場代など)が用意できなかったから。

2007年から製品販売を始めましたが、開催できたのは2012年の暮れも迫ったころだったでしょうか。

当時、展示会サンプル作成+展示会会場費+展示会後数か月分の生地仕入れで700万を見積もりました。銀行さんに借りに行ったら、「政策公庫へまず行ってみれば」と言われ、政策公庫で中途半端に200万貸していただき。

「こんな中途半端じゃ何もできない!!!!」と再度銀行さんに行って、残りの500万を貸していただきました。う~ん、リアル。