From Cotton to Jeans, part 1

来秋冬で作成するジーンズ。
綿から追いかけた工程をブログでも紹介していきます。

Cotton 原綿



デニムを作るにはどの国のどんな綿を使うか? そもそも私が目指す20 世紀中頃のアメリカの デニムに使われていた綿は?おそらく大量かつ 安価に手に入る米綿(アメリカ産綿)であろう。 品種改良により当時と全く同じ・・・とは言え ないが農作物である以上環境に大きく左右され る。そこで、米綿の中でも最もベーシックなア プランド綿。EMOT と呼ばれる「イースタン・ メンフィス・ニューオーリンズ・テキサス」地 方で取れる綿。その栽培から輸出までを見る為、 栽培地でありかつ綿輸出の集積地、メンフィスへ赴いた。







メンフィスはコットン売買の集積地。かつて相場を決めた建物が今はミュージアムに。 現在、相場は電子化されニュー ヨークなど他の都市で決まる。 穀物メジャーのベテラン社員はこのコットンエクスチェンジで仕事をしたことを覚えていた。


この30 年ほどの間にもコットン業界は様変わりし続 けているという言葉が印象的だ。歩いて数分にはミシシッ ピ川が。今では観光船が往時の喧騒を忍ばせる。

ファーマー・ジン・メジャー



まず私が「こんな綿で生地を作りたい」となると、生地商に相談する。 通常、そこから先はアパレルメーカーにとってはブラックボックス化されているのだが、そこは何でも見たいWORKERS。今回、織布・染色に加えて、最終的に図の左側、原産地アメリカまで。さすがに、穀物メジャーやエージェント、ファーマーからは「ここまで来た日本のアパレルはお前が初めてだ」と言われた。







アメリカの綿花畑で一番驚いたのが、この畑はコットン、隣は小麦、隣はコーンと多様な作物が植えられていること。農家は収入を安定させる為、常に作付をコントロールする。左は「ピッカー」と呼ばれるコットンを収穫する機械。右がその収穫され固められた綿。右を歩くのが「コットン専門のエージェント」。彼が農家からコットンを買い上げ、穀物メジャーへ売る。 コットンは収穫機械も専用。栽培コストがかかるので、農家が作付けを敬遠するのが目下の悩みとの事。









コットンは「ジン」と呼ばれる種子と綿を選別する工場へ。固められた綿はそのままトラックに積ま れ運ばれる。かつては人の手、その後は馬を使った簡易的機械によって行われていた選別も現代ではほぼ全行程が機械化されている。パッキングされた綿は倉庫へ運ばれ出荷を待つ。




エージェントから綿を買い日本との貿易を行う穀物メジャー。ここは綿の等級を決める「Classing Room」。今は機械化・標準化され、各地に格付けを行う機関がありめったに使われない。穀物メ ジャーは日本だけでなく、アメリカ国内の紡績メーカーにも綿を販売している。