23年春夏製品以降の製造原価上昇について

 ただいま、23年春夏のサンプルが出来上がり単価見積中です。

で、恐ろしく値上がりしているので頭を抱えてTCBさんに電話したら

「いつものWORKERSらしく、理由をきちっと説明してください」と言われたのでやってみます。


1、原材料価格の高騰


出典:2022/04/15 繊維研究新聞

この3年間で見るとコロナが始まった2020年頃と比べると約2倍の上昇。ただこれが3月の話で直近で先物相場が100は切ってます。が、どちらにしろ2020年頃よりは明らかに高い。
ただ、綿花相場は2011年にも一度異様に上がったこともあり、流動的な話ではあります。

が、なぜか生地屋さんにしろ糸屋さんにしろ、一度上げた値段は下げません。たいてい、値上げの時に相場を理由にしていますがそれ以上に構造的な理由で上げないとやっていけないという面もあるのだと思います。
・そもそも原価に対して適正な利益が取れていなかった
・国内での原材料製造背景が脆弱になるにつれて売り手市場になっている


2、為替の影響
出典:世界経済のネタ帳




ご存じ円安です。2010年から、一時的に120円近くになることはあってもおおむね110円よりは下だった相場。最近はご存じ、140円に迫る。
WORKERSはすべて日本国内で製造しているので材料も日本国内で買います。そうなると、最終的に決済は「円」で払う。円安が進むと、より一層、円換算での単価が高くなります。

例:1ドルで綿を買って糸にして服を作る。材料、2011年には80円ほどで買えたものが2022年には140円。1.75倍。
だからといって、製品がすぐ1.75倍の値段になるわけではありませんが。なぜなら、原価は
・材料費
・加工費
があり、その比率も物によって違うので。

3、日本国内の賃金上昇
これは生活者としては喜ばしくもあり、製品を作って売る側としては苦しい問題でもあり。
工場により賃金は違いますが、一つの指標として最低賃金のグラフを。

率で考えると、2020-2021年だけでも3.1%上昇。
もっと以前、WORKERSが2011年創業の翌年、2012年と2021年を比べれば24.1%の上昇となります。


以上、製造原価が上がる理由はざっと考えればこのような形です。

4、WORKERSの今後・・・

現状はサンプルも出来上がったので常識的な原価率で製品単価を出してみます。
これをエンドユーザー様が受け入れていただけるかは23SSの結果を見ます。
結果、受け入れられない品番は残念ながら廃番。
受け入れられる品番は、今まで以上にラインナップの拡充。

また、企画自体を精査し、私も「欲しい!」、お客様も「これなら着たい!」と思ってもらえるものを作れるよう無い知恵を絞る。

悲しいかな、WORKERS本体のコストカットはやりようが難しい・・・
会社の家賃8万、年間サーバー代3万ぐらいかな?従業員0。