ホワイトデニムのできるまで2

では、さっそくホワイトデニムの糸染め(糸晒し)を見てみましょう。

実際に染めている所。白(晒し)だとわからないので、色糸を染めているところの写真。
ホワイトデニムの場合、これが真っ白にさらされていると想像してください。

糸を立てている管。中は空洞で中から外に向かって染色液が出てくる。
その為、何個も穴が開いている。

糸をセッティングした状態。管の中から染色液が出て外に向かって染まる。

これが「チーズ染色」と言われる方法。織物の糸だけでなく、ニットの糸などにも幅広く使われる方法です。ある意味、デニムのロープ染色が特殊で、こちらのチーズ染色の方がメジャーかも。

チーズはおそらく、この染める前の糸の状態がチーズに似てるからなのかな?糸をこの染まる状態にすること自体「チーズアップ」と言います。

勘の良い方なら気付くと思います。「中から外にって染まるの?色が中と外で差が出ないの?」

そう、糸工場から出てきたばかりの糸では染まりません。まず、糸工場から出てきた糸は「コーンアップ」といって、こちらはコーンのようなテーパーの効いた紙の管にきつく巻きあげられた状態です。

これが糸工場(紡績)から出来上がったばかりの状態。
コーンアップ、おそらくコーンみたいな紙の管に巻いてあるから?

真ん中の管は紙。このままでは糸は染められないので・・・


上にあるのがコーンアップした糸。下にあるのが、それをまき直して染まるように「チーズアップ」している糸。

チーズアップの管は、先ほどの染色液が通る管に通すので径が太い。
さらに、染色液が良く通るように穴が大きく開いていて、巻くときの力もごくソフトに。
だから「ソフト巻」とも呼ぶそうです。

と、このように。染色はまず染める前に糸のまき直しがあります。さらに、それを染め、今度は元のコーンに巻き戻して次の工程、織り機にかかる状態に巻く、また別の工場に送り出します。

当然、ロープ染色でも似たような工程はあるのですが、ロープの場合
コーンアップした糸→ロープ状にほどく→染めて分繊ビーム(仮の軸)に巻く→分繊ビーム(色を均一化)から織り機にかかる軸に巻く→織り工場へ

といったように、一気貫通でやるのでコストが抑えられるわけです。
そうは言っても、ロープ染色は製造ロットが大きいので、良し悪しではあるのですが。