量産へ!



展示会、ご来場ありがとうございました。
また、来年の春には新しいWORKERSの製品をご覧いただけるよう、さっそく量産への仕事が始まりました。

画像はウェスト28サイズのチノパンをグレーディングしているところ。
前身頃の大きさが小さくなるのでポケットを入れるのに四苦八苦しているところ。

単純にポケットを小さくしてしまえば入るのですが、それだと手が入らない、指が入らない。機能しなくなってしまう。そこは、前身・後身の小さくなるバランスを変えたり、工夫して何とかします。

ウェストは小さくなったとしても、膝、裾を単純に比率で小さくしてしまうとどんなにウェストが小さい方でも突っ張ってはけなくなってしまったり。そういうことが無いように、サイズごとの寸法差(ピッチ)を等分ではなく、場所によって変えます。

以前、パタンナーさんがされているブランドで「さすがにグレーディングは外注にだす」なんて言われていて、その時は「そんなものなのかな」と思いました。私が気にするような部分まで気にしてくれる外注さんが居ればそれもできるでしょうし、マニュアルを作ればできるかもしれません。
でも、私は自分でやっぱり最後は見たいのです。画面を見て、線のつながりを見て、さらに言えば紙に出してみて、最後の最後で「何か違う」と変えることもあるからです。

よく「5ミリやそのぐらいの違い、お客さんは気付くの?」と言われたりもします。確かに、たった一回5ミリの修正は気付かないかもしれませんが、それが2シーズン続けば1センチ。少しづつ、機能性、時代に合わせてサンプル型も、グレーディング型も修正し続けること。定番こそ、微調整を繰り返す必要があるのではないかと思います。