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気付けば、3月に入って更新一回。それもデリバリーのお知らせだけ。

普段周りに「ブログの更新はどんなことでも良いからする事!」と言っている私らしくない。

原因はこれです。来シーズンのカタログを作っていました。細かな部分で、改めて確認をすることもあり。また、慣れないレイアウト作業で毎日あっという間に時間が過ぎていきます。

改めて、完成したサンプルのジーンズ、そこまでの過程を見ています。やはり、自分が作りたかったのはベーシックなジーンズ。

綿一つにしても、米国の綿だけでなく、インド、ペルー、中国、選択肢は多数あります。
さらに、それらを混綿することを考えれば、その選択肢は無限。

でも、ここでふと考えたのが「我々が見て良いなと感じたあのジーンズ、あのデニムはどんな綿を使っていたのか?」

アメリカで綿の仲買・販売をしている要するに日本で言う「商社」に当たる穀物メジャーの人に聞きましたが、現在でもアメリカのデニムメーカーに綿は販売しているそうです。当然、はるか昔から。

距離的にも綿の産地が近くにあり、品質も安定していて価格も適当。であれば、当然、米綿、それも一番メジャーなアプランド綿を使っていたはずです。

確かに、綿の品種は常に改良され繊維長一つにしても数十年前より平均で数ミリ程度長くなったといわれています。(ニューヨーク綿花取引所の基準銘柄の繊維長で比較すると)

ただ一方で、水ナスの話というのがあって、水ナスの産地でもらった苗木を違う地域で植えると、水分の少ない極普通のナスになってしまったというのがあります。つまり、それぐらい農作物というのは環境に左右されるということです。

もしかすると、米綿に少し、品種改良の進んでいない綿を混ぜた方がクラシックな風合いには近いのでは?という推測もあるのですが私は今回、水ナスの話にかけて、米国・アプランド綿だけを使って糸つくりをしました。

結果、青みが強く毛羽が立ち、ある意味どこまでも「普通の生地」が出来上がったからです。

せっかく完全に別注をするのだから、一目見てそれ!とわかるような何か特徴をつけたらどうかとも言われる事があるのですが、目指すところはそこでは無いのです。ベーシック中のベーシック。それを目指した生地なのです。