コーンアップされた糸は「整経」という工程に入る。「ロープ染色」の名前の由来で糸を多数束ねロープ状に巻きなおす。写真の左奥側には何百という糸があるのだが、その機械にはノウハウや特許がある為撮影不可。糸が絡まず、切れないように巻くには最後は人の目と手が必要になる。見学中、何度も機械を止めながら微調整を行っていた。
今回はピュアインディゴのみでの染色。真っ白な糸がインディゴの浴槽を通り、出てきてすぐの状態は黄色味がかった色。これが引き上げられ、空気に触れ酸化しブルーに染まっていく。指定する色により浴槽を通る回数や速度、高さなどがコントロールされる。また、今回は行わないが糸の先染め・後染めにより色にバリエーションを持たせている。基本的にロープ染色は大きなロットの糸染めに適した方法。数千メートルであろうと数万メートルであろうと染色機をセッティングする手間・時間は同じだ。
分繊・糊付
ロープ染色された糸はバットに貯められ「分繊」という一度ビーム(軸)に巻き取られる工程がある。そこは企業秘密で写真NG。この写真はその分繊ビームから糊付けを経て最後に織機にかける状態に巻きなおしているところ。ブランド・生地品番ごとに指定の本数があり、それを1本も間違えることなく巻き取っていく。
織機にかける状態に巻き取りが終わったところ。端の方に見える白糸が後にミミ(セルビッジ)になる部分。色糸は織機にかけてから入れるので今の段階では白耳。糊付けされていながら、糸が一本一本別々になる。この糊付けがうまくできていないと織機にかけてから生地にすることが出来ないとまで言われる。
巻きあがったタテ糸は機械から外され滑車に乗せ出荷場へ運ばれる。今回の耳付き、狭巾織機でも500メートル以上のタテ糸が巻かれるので重量もかなりの物。ここから、フォークリフトでトラックに積み込み、各織布工場へ送られていく。