Denim, 途中報告




2015年、年明け早々ロープ染色が終わり、今週は糸のノリ着け織機に乗せる為のと整経が行われました。

昨年末、大阪で作られた糸は広島のカイハラさんに。
例によって、その糸が最終、織り機にかかる寸前まで見に行っていますが、そのあたりの写真は許可が要るので展示会の時に。

で、昨年末できた糸は「チーズ」と呼ばれる小分けに巻き取られた状態。
それを、ロープ染色にかけるため大きな棒のようなものに巻き直しをします。それが、

まずはチーズと呼ばれる糸が巻き取られたものをロープ染色する状態に巻きなおす「整経」

そして、整経が終わるとロープ染色。最初に糸の油分を落とす浴槽に入り、次にインディゴ染色、最後が余分なインディゴを落とす水洗い。これらが終わって、一度、タルのようなものに落ちていきます。

その後が「分繊」で、タルにまだロープ状になっている糸をもう一度、分繊ビームというやはり棒のようなものに巻き取ります。
この分繊ビームを複数用意して、いよいよノリ付けから、織機にかかる状態への整経。


写真はその整経をしているところを見せてもらった時にもらったWORKERSのデニムになる糸。


左側はまだノリをつける前の状態。ロープ染色なので、糸の中が染まっていない、「芯白」がわかります。

右は、それにノリをつけた状態。糸がしまり、一見しただけでは芯白がほとんど見えません。
ただ、これが織られた後、表れていくとまた、左の状態に戻っていくわけです。


どちらの糸も見てわかるのが、まだまだ赤みが強い。
インディゴ100%、下染め、後染めはしていないので染め上がりは若干赤みが強いのです。

良く「ビンテージはもっとどす黒い」とか「青い」と表現することがあります。
確かに、現代の染料と昔の物が違う。綿もまったく同じではないのかもしれません。
また、下染めや後染めを使って最初から赤みを抑えて黒っぽくしたり、青っぽくする方法もあります。


ただ、私が一番に感じるのはインディゴの経年変化です。
最初にWabashを作ったとき、あちらはロープ染色ではなく、反物になったものを染めたのですが、それもとにかく赤みが強く驚きました。

が、半年も置いておくと徐々に赤みが抜け、どす黒い色に。さらに、それを洗いこむとすっきりした青色に変化していきました。

デニムの場合、タテ糸はインディゴ染めですが、ヨコ糸は白。そのため、反染のように一目でわかるほどの変化はすぐには人間の目には感じづらいのですが、それでもやはり、置いておけばインディゴ染色部分の色は変わっていきます。

このような、経年変化を考え、また「ベーシック」を目指す方向性からインディゴ100%での染色に今回は落ち着きました。

この糸も展示会には持っていきます。ぜひ、触ってみてノリの感触をお楽しみください。