K&T H FINE SHIRT WORKERS ALL COTTON


出来上がりました新しいネーム。
悲願のサイズ入りシャツネーム。

これを付けるシャツ・・・そう、あれです。

マチ付きのオールドBBのBD。今まで作ってきたある程度バランス良く修正された寸法感とは違う、オリジナルに近いサイズを目指して作ります。

ファッションとは不思議なもので、古着の基本的にゆったりとしたサイズ感が「too much」だと感じ、この十年ほどはそれをある程度フィットしたものにした寸法が求められてきました。

いわゆる「モディファイド」とか「スリムフィット」とか呼ばれるものです。

WORKERSではあまりスリムに寄りすぎないようにしていたつもりですが、それでもやはり、古着よりは全体的にコンパクトなサイズを目指してきました。

そんな「バランス良いサイズ感」が一般的に成ると、今度はまた違った少しゆったりとしたサイズの物も着たくなるのです。それがファッションであると私は思います。

同じようで、少しづつ変わる。大きくなったり、小さくなったり。

正直、この仕事を始めるまで、そして始めてからもしばらくはこの感覚は良くわかりませんでした。テイストにしろ、サイズにしろ、ワークはワークとしてずっとあると思っていたし、アメリカントラッドやアイビーはただの懐古趣味の退屈な世界だと思っていました。

ただ、自分で服を企画し、さらに同じ時代に作られる他のメーカーさんの製品も見るうちに少しづつですが感じるようになってきました。自分の中の何かが「今はこんな色が着たい」「組み合わせが着たい」「こんな寸法で作られた服が着たい」と訴えかけるように成って来たのです。

はたして、これが正しい事なのかどうかはわかりません。
お客様には「初期WORKERSの方がもっと古着に近い風合い、寸法感で好きだった」と言われる方もおられます。

ただ、結局は私が作りたい物を作るしかないミニマムメーカーです。今の私は、少しゆったりとしたシルエットのシャツやアウターも着てみたい・・・という気持ちなのです。

で、気持ちを形にするにはまずネームから。このあたりがWORKERSらしいと言える部分ですが、個人的にも新しいネームを見るとやる気が出てきます。4月の展示会に向けてサンプル作成に励んでおります。