「普通ですね」「はい、普通です」

良く見りゃ、普通そうに見えて普通じゃないんだけどな・・・


展示会で良く取扱を検討してこられた方に言われるのが
「WORKERSって普通ですよね?」
と聞かれます。

最近は「自分なりに色々考えて作りますが、最終的にはごく普通の服です」と答えるようにしてます。
前は、いろいろ自分なりに気にした部分を次から次に話しましたが、そこまで言わないでも良いかなと思い抑え気味です。結果「普通ですよね?」とよく言われるのです。

この「普通ですよね?」も、いい意味で言われている場合と、悪い意味で言われている場合があるの、すごく感じます。

良く見てもらうなり、私とちゃんと話してもらえば、その普通を実現するために自分なりに色々考えて、工夫して。それこそ大げさに言えば人生かけてやっていることはわかると思うのですが、中にはわかってもらえないこともあるみたいです。

普通の物を普通に作る。そしてそれがちゃんと売れて次も作れるって実はすごく難しいのです。10年やってきてみて、最初の頃はそれこそWabash作る為にアメリカ行っちゃうわ、サンプル自分で作ってその縫いを全部見せるわ、ある意味普通じゃない事やってました。
それをもっともっと深める方向もあったのですが、やりすぎると「手段が目的」になるように感じて方向を変えてきました。(もちろん、調べたり、部分縫いしたりは続けてますが、それをわざわざ宣伝材料にはしてません)

今やりたいのは「普通だけど、ちゃんとできてる服」を作り続けたい、つまり作り続けるためにはきちっと売れ続けたいです。
で、売れ続けるにはどうしたらよいか?

やっぱり、毎回職出しの時に展示会サンプルで気に成った部分は修正をお願いする。
修正した部分がちゃんと直っているか、先あげをチェックする。
そして、修正したことが結果、本当に良いものになったのか、量産品を自分で着てみる。

すごく一般論になりますが、毎日、展示会で人が着るのを見る時も。モデルに着せて撮影するとき。それを後から見る時。自分で着てみた時。
いつも、緊張感を持ってやりたいことが出来てるかチェックする目を持つこと。興味を失わない事。

こういう話をして???って顔して帰っちゃうお店さんも居ますが、説明の仕方が悪いのか、地味な話なので面白くなかったのか。

同じような言葉で、でも悪い意味じゃないのが
「WORKERSみたいなメーカーってありそうで無いよね」
こっちは、良い意味で言ってもらう事ばかりです。
そのうえで
「でも、ぱっと見は普通だからお客様にどう伝えたら良いかがお店の腕の見せ所だ」と言って、扱ってくれる人も居ます。
同じもの見て、どう感じるかは人それぞれだなと、展示会のたびに思い知らされます。