http://www.e-workers.net/store/spot/card/ia1.htm
やっとできました・・・スーピマオーガニックコットン・毛羽を巻き込むコンパクト紡績。縫い目はロックが出ないリンキング。ボタンは高級黒蝶貝。
やりたいだけやり切ったニットカーディガン。
私が冬に成るといつもするのがオックスのボタンダウン+ネクタイ+カーディガン。
その上にウールのジャケット着てステンカラー。下はジーンズ・チノ・4ポケットパンツのようなトラウザー、まぁ、何を合わせても合います。軍パンだって外しでならいいかも。
今回使った糸。超長繊維のスーピマ、さらにコンパクト紡績を使っている理由は何より、出来る限り長く、毛玉が出来ないようにするため。
まず、糸の毛羽とは・・・
上から、ガス焼き。コンパクト。コーマ(コーマという櫛ですいて短繊維を落とした糸。ここで落ちた綿をあえて混ぜたのがWORKERSよくTシャツに使うラフィー) 毛羽の出具合の違いが良くわかる顕微鏡写真。 |
ちなみに・・・糸は
「カード」(コーマ・櫛ですいて短繊維を落としていない)
「コーマ」(カードを櫛ですいて短繊維を落としたもの)
「コンパクト」(精紡機にある部品がついていて、短繊維を巻きこんだ物)
「ガス焼き」(精紡機から出来上がった糸を焼いて短繊維を落としたもの)
等があります。一般的に、下に行けば行くほど短繊維が少ないと言われてますが、原綿・糸の太さ(番手)にもよるので一概には言えません。
ちょっと長くなりますが・・・糸が出来上がってから染まるまでにも・・・
精紡機から糸が出来上がったところ。管に巻きついた糸は微々たる量。 このままでは運べないので・・・ |
チーズアップという作業。下に先ほどの精紡機から出来上がった細い管があり、それを何本もつなぎ合わせて大きなチーズと呼ばれる状態にしていく。 |
今度は染め工場へ。 上にあるのがチーズアップした糸、これをソフトにまき直し。上から下に向かって巻いてます。 |
染料が通りやすいように、中に穴がたくさん開いた管に「ソフトに」巻いていきます。 きつく巻いたら染まらないのです。 |
窯に入れて糸を染めているところ。中に軸があり、底から染料が外に向かって出る。 さっきの管の穴を通って、染料が外に・外に出て均一に染まっていく。 |
今度は染まった糸を、最初とは逆にまたチーズ巻に戻していく。 これで、次の撚糸(糸を撚る)工程や、織物なら糸を織機にかかる状態にかける工程へ・・・ |
と、編み機や織機にかかる前の段階でもいったい、何回まき直しをしていることが・・・
こういう工程をするごとに、先ほどのデータのように加速度的に毛羽は増えていきます。
もちろん、新品ではその違いはほとんどわかりません。「整理」と呼ばれる、織った生地の表面をきれいにしたり、編地でもセットとか、いわゆる「新品時に綺麗に見えるように」という工程があるのです。
こういう工程をするごとに、先ほどのデータのように加速度的に毛羽は増えていきます。
もちろん、新品ではその違いはほとんどわかりません。「整理」と呼ばれる、織った生地の表面をきれいにしたり、編地でもセットとか、いわゆる「新品時に綺麗に見えるように」という工程があるのです。
でも、家で何年も洗えば、その生地、その編地の素性が見えてくるのです。
ニットはどうしても、新品状態では違いが分かりづらいですが、良い素材を使っていると長い時間が経った後に違いが出てきます。
う~ん、今日はあまりにマニアックな話題だったので、明日はモデルに実際このカーディガンを着てもらいます。