六代目
やっと、来季の職出しがほぼ終わり一息ついたところへ、頼んでおいた本が届きました。
歌舞伎の世界で六代目と言えば、六代目菊五郎。その評伝です。
箱のデザイン、尾上菊五郎の斧琴菊の模様。もちろん、私も手ぬぐいを使っています。
Amazonに出店している古本屋さんから買いましたが、カバーをめくってみると一誠堂のシールが。
神保町の有名古本屋さんから流れていったものでした。高校時代、このそばのディスクユニオンに行っても、まさか一誠堂で扱うような本を自分が手に取るとは思いもよりませんでした。
あの頃は、本一つ、レコード一つ探すにしても、詳しい人にありそうな場所を聞き、いちいち足を運んでいました。そんな中で見つけた、Perry & Kingsleyのレコードがうれしかったのが昨日の事のようです。
今は、そんな事をする必要は無く便利な反面、見つけるまでの憧れ、欲しいと思う気持ちの高まりが無いので、もったいないなぁとは思います。
家に帰ったら楽しみに読もうと思います。
気になるのは、六代目菊五郎が活躍した「市村座」の話。ニ長町という場所にあり、今でいう、秋葉原と御徒町の間、山手線の外側に劇場があったそうです。あんなところにというような場所です。
町名と言えば、東京オリンピックの時にこういった昔ながらの町名は無くなったそうで、それを池波正太郎も山口瞳もエッセイで嘆いていました。
こういった人にとっては、自分の生まれ故郷が存在しながらに変わっていくのは見ていてつらかったのだろうと思います。
私は東京人ではありませんし、生まれた年代も違うのでそこまで憤慨する気持ちを実感としてはありませんが、それでも、昔の物がどんどん無くなる東京は残念でもあります。
ニューヨークにしろ、サンフランシスコにしろ、アメリカの都市を見れば見るほどその気持ちは強くなります。
話戻ってその市村座。この六代目菊五郎と、初代吉右衛門が活躍していたそうで。
ただ、当代の七代目菊五郎この先代とは直系の血縁はありません。当代吉右衛門は、初代の孫です。
歌舞伎の世界は昭和に大空位時代がありました。団十郎がいない、菊五郎がいないと。よくぞ、没落しなかった。空位の無い猿之助(先々代から先代)がだいぶ活躍したようですが。
ある意味、今はとても恵まれた時代。団十郎、菊五郎は言うに及ばず、吉右衛門だって、仁左衛門だって、三津五郎だって、勘三郎だって、誰でも居るのは居る訳です。見たい見たくないは別問題として。
と、趣味の話は終わりにして、今週から来秋冬に向けてのリサーチが始まります。
と言っても、今まで買って、着ていた服を紹介していきます。
トラッドから始めるか、ミリタリーから始めるか。どちらにせよ、私は自分の着たもの、持っているもの、見たもの、経験からしか服をデザイン出来ないので。かれないように、そして服の面白さ、楽しさを再発見するためには、常にWORKERSを更新していかないといけません。
このところ、アウトプットが多くだいぶ枯れてきているので、そろそろ水やりの時間です。