デザインの現場・・・と書こうかと思いましたが、デザインと言うほどデザインしてないので仕様書にしておきました。
前から考えていていたマチ付きポケット。これではまっていました。
当初、クルーザージャケットやRoyal Mountain Parkaで使ったハンドウォーマー付きポケットにマチを付ける構造で検討に入りやってみましたが、どうもすっきりおさまらない。
特に今回は一部、起毛生地を使ったりしてハンドウォーマーの機能性アップを狙いましたが、生地の柔らかさがこの仕様に合いません。
一応、左のやり方でいこうか・・・と昨日はそこまで。本当は締めきりの問題で工場に送ろうかと思ったのですが、一部、部品が届いていないので工場に相談すると「あ、そろってから来週届けばOKです!」との事。
で、置いておいたのですがどうも気に成るので朝からもう一度検討・・・
ここでやっと気づきました。クルーザージャケットにしろ、Royal Mountain parkaにしろ、ハンドウォーマーが無い製品だったので腰の二重ポケットでハンドウォーマーを付けました。
が、今目の前にある製品はハンドウォーマーの箱ポケットがあるのです!
同じ機能を二か所に付ける、意味がないとは言いませんが(片方が壊れた時の代替)、やはりこの製品にはオーバークオリティ。
そもそも、ハンドウォーマー機能を無くせばポケットの収納量を増やすマチ機能を最大限生かした仕様に出来る。
さらに細かい事を言えば、口部分、見返しにしていたのも三巻にして厚みを減らせる、工程数も減らせる、良い事づくめ。
気づいてしまえば簡単な仕様なのですが、気づくまでが大変なのです。
どうしても、服を作っているとどこまでも仕様を盛り込みたくなります。
ここにポケット、こっちに玉ぶち。こっちにフラップ、こっちに脱着フード。
でも、やればやるほどデザインはごちゃつき、服は重くなり、手数が多い分工賃はかかり、生地代もかかります。
そんな時は、「必要な物がすべてあり、不必要な物は無いベストな回答」を模索します。今回でいえば、機能を重ねる必要は無いし、口の見返しも必要ありませんでした。
「ベスト」は時により、物により、またデザインする人の意思により変わります。結局は「自分なりの今の」ベストしかないのですが、それでも納得いく仕様を考えついた時の喜びというのはなんとも言えないものです。
そんな事ばかりしてるから相手にしてくれないんでしょ!