WORKERSデニムの次ロットが週末から織りに入るのでまた打ち合わせに井原まで。
井原というのが、WORKERSの職場からだいたい1時間ほど。
デニム生地の織布を中心とした工程があつまり、生地コンバーターさん(企画をする生地メーカーさん)も多くあります。
で、今回の打ち合わせは織機を動かしているKさんにジーンズ渡す事。
それと、次ロットでほんの少しだけタテ・ヨコのテンションをファーストロットよりもかけてみる事。
綿(ワタ)・糸・染めは全く同じ。ファーストロットは超弱テンション、織りキズが出来るギリギリで織ってもらいました。生地表面の凸凹はマックス。伸び縮みも非常に激しい。洗濯を繰り返すと、繊維がしまって来るのですがそれまでは本当に「糸そのもの・綿そのもの」の風合いが表面から感じられます。
あれも良いのですが、今度はもう少し、ぎちっと締まった風合いも兼ね備えてみたい。そこでテンションの話です。
まずは緯(ヨコ)糸。ご存じ「シャットル」と呼ばれる物。これも種類がいろいろあるのですが、このタイプは糸の横についている毛羽。これの向き&先に出ていく部分。ここの糸の通し方で微妙にテンションを変える。
ちなみに、WORKERSの生地を織る織機もこのタイプ。
また別タイプは先にこのような金具がついているものあり、これはネジを締める事でテンションを調節するタイプ。
そして、経(タテ)糸。タテは、このあたりの部品をいじって・・・
WORKERS Denim Mill from
WORKERS Co.,Ltd on
Vimeo.
ここの部品の動き具合。それと、織機の表側に回って実際、織りあがった糸の張り具合を手で確かめる。
Kさんは、毎度おなじみ「どうやって説明するかな~」なんて言いながら、細かく教えてくれるのですが、具体的にはさっぱりです。
織機も、種類が違えばこのテンションのかけ方も違う。同じ種類の織機ですら、同じように部品を組んでも同じテンションにはならない。
何かゲージとかデジタルの数値が出るわけでなく、全部動き具合と手加減の世界。
そもそも、糸も毎回微妙に違う。同じ規格であっても、シーズンが変われば違うし、時期によっても違う。
こうなってくると、単純に「テンションは何々キロで」とか決められるものでは無いのです。
そんなとき、私が考えるのは
「WORKERSはどんなものが作りたいのか」
「最初作ったのはこんなものだった。次は、それを同じにしたいのか、少し何か変えてみたいのか」
そういったことを理解してくれて、微調整してもらえる人。それがKさんであり、この機場の社長、Oさんなのです。毎度行って、今度のはこんなだった。穿いてみてこんなことを感じた。だからこうしたい。
そうかそうか、WORKERSだからこれが良いんだよなという事になるのです。
私が出来る限り工場へ行く、その時は製品を持っていくし、場合によっては現物を渡して工場の人にも使ってもらうのはこのためです。自分で使ってもらえば、その良し悪し、いろいろなポイントを感じてもらえる、一緒に考えてもらえる。
結局「アパレルメーカー」とか「ブランド」なんて言いますが、物を作るのは紡績であり、染色、織布、仕上げ、縫製とすべて工場です。
スペック、仕様書、ターゲットになる古着等々。これらがあっても、最後の最後は「WORKERSのあいつは何をしたいんだっけ」と感じてもらえる、考えてもらえる姿勢が必要です。
元々は「もっと作業工程を知りたい」とか、単純に楽しくて工場へばかり行っていたのですが、今ではそれが自分の物作りにも少しは反映されているかな?と感じるようになってきました。
という事で、今週はさらに某所のニッティング工場へ、片道4時間の旅に行ってきます。